浜松 41.1℃ を4次元で理解-フェーン現象だけじゃない!

思わぬところから 暑いぞ熊谷! のライバルが現れました。

浜松で41.1℃!ここまで暑くなった要因を3次元+1次元(時間)で考えます。

4次元?

2020年の8月は連日の猛暑で東日本、西日本の各地で40℃超えの酷暑を記録しています。そんな中、8月17日、静岡県浜松市中区で最高気温41.1℃を記録しました。埼玉県熊谷市に並ぶ国内最高気温です。

海に近い浜松で日本1位タイが記録された仕組みを8つの条件にまとめてみました。(と言っても、いろんな気象予報士さんたちの意見をかき集めてまとめたものですが・・)

上のイメージ図(ごちゃごちゃしてますね)を元に4次元的に説明します。4次元というのはオーバーかもしれませんね。要は鉛直図(図の上側)、平面図(図の右下)、時間と気温のグラフ(図の左下)で考察するということです。

では、下記の図の0~8の数字の順に説明します。

0.太陽光

まずは太陽の光がないと何も始まりません。当たり前すぎるので0番にしました。

1.太平洋高気圧(鉛直図と天気図)

8月の主役は太平洋高気圧です。高温多湿の大気が日本を覆います。

ここまでは、ごく普通の夏の姿です。

2.チベット高気圧(鉛直図と天気図)

今年(2020年)の夏はチベット高気圧の張り出しが強く日本列島をすっぽり覆ってます。(天気図)

チベット高気圧は太平洋高気圧より さらに高いところから張り出していて、日本列島はチベット高気圧と太平洋高気圧の言わば布団の2枚重ねで覆われている状態になります。(鉛直図)

冒頭の図にあるようにどちらの高気圧も下降気流を生じさせるので、それだけでも気温を上昇させます。

そして天気がいいので、一日中 日差しが降り注ぎます。

3.熱の滞留(鉛直図)

地表の大気が暖められると上昇気流が生じます。太平洋高気圧に覆われただけだと気温や地形によって上昇気流が生じ、雲 特に積乱雲が発生します。すると降雨があり地上を冷やすことで気温の過度の上昇は抑えられます。

上昇気流があると海風も入ります。海風も特に海沿いで気温の上昇を抑えます。

しかし今回は2つの高気圧の強い下降気流があるため、上昇気流が抑えられて暑い空気が地表付近に留まってしまいました。

4.スーパー熱帯夜(グラフ)

スーパー熱帯夜という言葉は正式な気象用語ではありませんが、一部の気象予報士は夜間の最低気温が27℃を下回らないときに使っています。

この夏は各地でスーパー熱帯夜が発生しています。浜松でも41.1℃を記録した17日の朝の最低気温は27.8℃でした。

最低気温が高いということは言わば気温上昇のスタート地点が高いということですから、その分、最高気温を押し上げることになります。

5.高気圧が西に移動(天気図)

真夏によくある気圧配置では、太平洋高気圧は日本の南海上ほど気圧が高いので南寄りの風が吹きます。

ところが、8月中旬以降太平洋高気圧の特に強い部分が九州の西に移動していきました。

こうなると、例えば今回の浜松では青い矢印のような北、または西寄りの風が吹くようになります。すると、次のフェーン現象が起きるようになります。

6.ドライフェーン(鉛直図と地図)

浜松に北西風が吹くということは、日本海から入った風が幾つもの山脈・山地を乗り越えて来るということになります。

するとフェーン現象が起きる訳ですが、この場合の風は湿気を含んでいないので、ドライフェーン現象と呼ばれています。

冒頭の鉛直図にあるように山脈の西側では既に暑い空気が上空まで溜まっています。その空気が山を下りるたびに断熱圧縮により気温が上昇していきます。浜松にたどりつく頃にはかなりの熱風になっているはずです。

7.超ホットスポット

浜松の西には大都市名古屋があります。名古屋はもともと気温が高くなることで知られています。さらに都市部は日差しがアスファルトや建物の壁に反射したり、冷房が多く使われるため気温が普通以上に高くなります。

そのため、風は名古屋を通ることで一層暑さを増します。ある気象予報士はこうした都市部を超ホットスポットと呼んでいました。

8.海風が入らない

浜松は太平洋に面しているので、晴天は日中 海風が吹きます。

海風は湿気はあるものの、相対的に陸地より気温の低い海から吹いて来るので気温の上昇を和らげます。

ところが、風が北風や南風の場合、この海風が入らないので気温を抑える効果がなくなってしまいます。

9.もう一つの条件

以上、8つの要素から浜松で国内最高気温タイ記録を出した仕組みを考えました。

でも、同じような条件が揃ったことは過去に何度もあったはず。

奇しくもアメリカ・カリフォルニア州デスバレーでは前日8月16日、日中の最高気温が54.4℃まで上昇しました。これはなんと!世界史上2位です。

1位はというと、1913年7月に同じくデスバレーで観測された56.7℃です。つまり107年ぶりの記録更新となります。

世界中で起きている異常な高温で私たちは地球温暖化を文字通り肌で感じているといえるでしょう。