41.1℃の歴代最高気温を叩き出した太平洋高気圧。早くどいて涼しくしてくれ!と言いたくなりますが、いなくなったらなったで厄介なことになりそうな気配です。
この度もTBSテレビ「ひるおび」で気象予報士の森朗さんの解説をもとに自分なりに解釈したものを紹介します。
厄介なこと その壱は大雷雨
連日の猛暑で地上には暑い空気が蓄積され続けています。
暑い夏の日の夕立は打ち水のように地上を冷やしてくれます。ところが、ここのところの猛暑が続いている割には全国的に見れば、あまり雷雨が起きていません。
福岡で大雷雨
でも、昨日(2018/07/23)つまり熊谷で41.1℃を記録した日には九州で大雷雨が起きました。
テレビ等の映像で見た方もいらっしゃると思いますが、当日の気象衛星の動画を見ると福岡付近で火山の噴火のように爆発的に積乱雲が発生しました。四国や中国地方の一部でも同様の現象が起きました。
この日の気圧配置を見ると太平洋高気圧がやや南に移動しています。そのため九州北部に西寄りの湿った空気が入り込みました。これが激しい雷雨をもたらしたようです。
一方、近畿地方や関東地方では北西からの風でフェーン現象が起きて気温が急上昇し、各地で39℃以上の酷暑となりました。
暑いと雷 どっちがいい?
九州で起きた雷雨と同様のことがこれから各地(特に東日本)で起きるかもしれません。その仕組みを以下のイメージ図で説明します。
左側が現在の状況ですが、地上付近には連日の猛暑による暑い空気がたまっています。
この暑い空気は上空に上昇したがっているのですが、強い太平洋高気圧によって押さえ付けられているため、上昇することができません。だんだんと蓄積される一方です。
この状態で高気圧が退いたり弱まったりすると、地上に溜まった熱気を押さえ付ける力がなくなり、暑い空気が一気に上昇し、大雷雨となります。上空に寒気がなくても、地上付近の気温があまりに高いため上昇気流も強くなるわけです。
暑いのも嫌ですが、雷雨、豪雨も歓迎できません。
変化の兆し
では、いつ高気圧がどいたり弱まったするのでしょうか?
今日(2018/07/24) になると、関東の東海上に来た涼しい空気を伴う高気圧が南下してきました。
関東ではこの高気圧からの南東からの湿った風により朝は雲っていました。ただ昨日の暑い空気が溜まっているせいか、東京でも今日も猛暑日でした。でも、これからだんだんと気温も下がり天気も曇りがちになる予報です。
西日本は相変わらず北寄りの風でフェーン現象が起きて40℃に迫りそうなところもありますね。
この後、太平洋高気圧はどうなるのでしょう?
厄介なこと 其の弐は… 台風
日本の遙か南海上には台風12号や幾つかの熱帯低気圧、熱帯低気圧になりそうな雲があります。熱帯低気圧が発達して台風になることもあるでしょう。
日本の上空にある太平洋高気圧が東海上に退いても、西に向かい大陸方面に移動しても、あるいは衰弱しても、いずれの場合も台風が日本に近づく恐れがあります。高気圧が台風が近づかないようにブロックしていたからです。
しばらくは気象予報士の方々は夏休みは取れないかもしれませんね。