第2章 観測
前回の記事「気象業務法の概観 目的と定義」の続きになります。
模式図「気象業務法 観測」にまとめてあります。順に説明します。
<気象庁が行う観測>
<気象庁以外の者の行う観測>
図では技術上の基準に従って観測しなければならない範囲を黄色で示しました。
上記 一から三 はその例外に当たるので黄色で塗りつぶしていません。
「左に掲げる」とあるのは、文章がもともと縦書きだからです。横書きでは「下に掲げる」という意味になります。
<政府機関及び地方公共団体以外の者の行う観測>
「気象の観測の成果を、観測者の自己責任を離れて他者が利用しうる状態に置くことは、その手段・形態にかかわらず「その成果を発表するための気象の観測」(気象業務法第6条第2項第1号)に該当する。」(気象予報士試験 模範解答と解説36 東京堂出版)とあります。
<届出>
『3 前二項の規定により気象の観測を技術上の基準に従つてしなければならない者がその施設を設置したときは、国土交通省令の定めるところにより、その旨を気象庁長官に届け出なければならない。これを廃止したときも同様とする。』
<成果の報告>
『4 気象庁長官は、気象に関する観測網を確立するため必要があると認めるときは、前項前段の規定により届出をした者に対し、気象の観測の成果を報告することを求めることができる。』
第7条は船舶関連、第8条は航空機関連で、ここでは省略しますが、報告しなければならない事例があるので目を通しておくのがいいと思います。
<観測に使用する気象測器>
第9条は長いのでかいつまんで説明すると以下になります。(後で本文を確認しておいてください)
技術上の基準に従ってしなければならない気象の観測に用いる気象測器又は、許可を受けた者が予報業務のための観測に用いる気象測器は、気象庁長官の登録を受けた者が行う検定に合格したものでなければ、使用してはならない。
次回は予報と警報です。かなりボリュームがありますが、図を使ってまとめていきます。