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数値予報モデルと各種予報の関係

数値予報モデルとはコンピューターが予測計算をする際に用いられるプログラムのことです。

数値予報モデルには幾つか種類があります。

予報にも短期予報、季節予報などありますが、その種類によって用いる数値予報モデルが変わってきます。

ということで、今回、数値予報モデルと各種予報の関係をまとめてみました。

ここでは各モデルについての詳しい説明はせずに概要だけ取り上げます。

上の表を見ればだいたい分かると思いますが、少し説明を加えていきます。

1.モデルの種類

表の上段はモデル名とその略称です。

◎ 局地モデルLFM)Local Forecast Model

◎ メソモデルMSM)Meso-Scale Model

◎ メソアンサンブル予報システムMEPS

◎ 全球モデルGSM)Global Spectral Model

◎ 全球アンサンブル予報システムGEPS

◎ 季節アンサンブル予報システム季節EPS

 1か月を超える予報には大気の変動に加えて海洋の変動も関わってきます。エルニーニョ現象などが思い浮かびますね。

そこで、季節アンサンブル予報システムは大気と海洋を一体として予測する「大気海洋結合モデル」を使用しています。

2.アンサンブル予報システムとは

略称でEPS とあるのはアンサンブル予報システム(おそらくEnsemble prediction system の略)です。

表の下の方にある「メンバー」とは、アンサンブル予報を構成している個々の予報結果のことです。

アンサンブル予報システムについての簡単な説明は「数値予報の流れの概観(後編)」をご覧ください。詳しい内容は別記事で取り上げます。

3.予報の種類

表にある通りです。

「府県」は府県天気予報、「早期天候」は早期天候情報、「エルニーニョ」はエルニーニョ監視速報です。

4.格子間隔

格子についての簡単な説明は「数値予報の流れの概観(前編)」をご覧ください。

予報領域と格子間隔は次の通りになります。

◎ 局地モデル 日本周辺 2km

◎ メソモデルとメソアンサンブル予報システム

  日本周辺 5km

◎ 全球モデル 地球全体 約13km

◎ 全球アンサンブル予報システム 地球全体

 18日先まで 約27km

 18~34日先まで 約40km

◎季節アンサンブル予報システム 地球全体

 大気 約55km

 海洋 約25km

5.予報期間、メンバー数、実行回数、初期値の時刻

数値予報モデル 予報期間 メンバー数 実行回数 初期値の時刻(UTC)
局地モデル 10時間   1日16回  
  18時間   1日8回 00,03,06,09,12,15,18,21
メソモデル 39時間   1日6回 03,06,09,15,18,21
  78時間   1日2回 00,12
メソアンサンブル 39時間 21 1日4回 00,06,12,18
全球モデル 5.5日間   1日2回 06,18
  11日間   1日2回 00,12
全球アンサンブル 5.5日間 51 1日2回 06,18(台風関連)
  11日間 51 1日2回 00,12
  18日間 51 1日1回 12
  34日間 25 週2回 12 火・水曜日
季節アンサンブル 7か月 5 1日1回 00

 

以上になります。数値予報モデルは奥が深いので、改めて順を追って調べていきます。