数値予報の流れの概観(前編)

数値予報は難しい・・と感じるのは私だけでしょうか?

まず、馴染みのない単語がいっぱい出てきます。

ガイダンス、アンサンブルはまだいいとして、パラメタ何たらとか、おまけに4次元ってどこの世界の話?

こういう場合、私はまず全体像を大まかにつかんでから細かい内容を学んでいく方法で取り組んでいます。

ということで、今回は数値予報の全体像を前後の過程を含めてまとめていきます。

1.気象予報の流れ

まず全体像の模式図をご覧ください。

大まかにいえば気象予報は、観測計算予報という流れからなっています。

このうち計算をコンピュータにやらせるのが数値予報です。

ただ、コンピュータというのは優秀だけど融通が利かないところがあります。

観測データをそのままの状態で使うことができません。

また、計算して出てきた数値をそのまま予報として利用することもできません。

ですから計算の前後にひと工夫が必要になります。

2.品質管理

では本題に入ります。図の左端から順に説明します。

まず、アメダスや人工衛星など様々な方法での観測により観測データを集めます。

データは気象庁に集められ、そこで品質管理をします。

ここから数値予報システムが始まります

データの中には計器の不具合などにより明らかに異常な数値を示し使用できないものがあります。(例えば気温が80℃)

こういうデータは最初の段階で弾いてしまいます。これが品質管理です。

ここまでが現実世界の話で、実際に存在する場所で実際に計器に表れた数値を見ています。

ここからはコンピュータが食べやすいように仮想の世界の仮想のデータを作り出す作業が始まります。

3.客観解析<格子点値>

次に客観解析という重要な作業が始まります。

客観解析で最初にするのが計算の対象となる範囲を格子(箱のようなもの)に分けることです。

箱ですから水平方向(東西南北)に鉛直方向(高さ)が加わります。

次に等間隔に並んだ格子の中の1点を格子点とします。

格子が等間隔に並んでいるように格子点も等間隔に並んでいます。

格子点には観測所はないのですが、そこは内挿という技を使ってあたかも格子点に気温や風速などの観測データがそろっているかのようにします(詳しい説明は別記事で扱います)。

このようにして格子点という仮想の観測所の仮想の気象要素の値を格子点値とします

もちろん格子点値は現実のデータに基づいています。

仮想という言い方より格子全体の平均値と言った方が正確かもしれません。

格子点値は観測データを指す場合もあれば計算して出力した数値(予報値)を指す場合もあります。

図の客観解析のところは随分複雑になっていますが、枠の下の方に書かれていることは後回しにして先に進みます。

格子点値が決まったら、それを解析値とします。

4.予測計算

4-1. 初期値

解析値はそのままスーパーコンピュータが計算するための初期値となります。初期値とは何でしょうか?

例えば飛んでいるボールがどこに落ちるかをコンピュータに計算させるとします。

最初にボールがどの位置にあってどちらの方向にどれくらいの速さで飛んでいるかという情報をコンピュータに与えないと計算ができません。

ここでいう最初の情報が初期値です。

4-2. 予測計算

初期値をインプットしたらスーパーコンピュータは幾つかの方程式によって計算を始めます。

4-3.  数値予報モデル

スーパーコンピュータが行う予測計算には幾つかのモデルがあります。

天気予報にも週間天気予報とか3ケ月予報とかいろいろありますが、予報の種類によって使うモデルが変わってきます。

4-4.  パラメタリゼーション

計算の文字の下にパラメタリゼーションってありますね。

これは積乱雲など水平スケールが格子点間隔より小さい現象も数値予報計算に取り入れるための手法です。

4-5. 予報値

計算が終わると予報値が出力されます。予報値も格子点値の形で出てきます。

5.ガイダンス ⇒ 予報

コンピュータが出力した情報は言わばコンピュータの言語で書かれているので、これを人間が理解できる言語に翻訳する必要があります。

翻訳して作成された資料がガイダンスです。

ガイダンスを使ってやっとテレビで見るような天気予報を作ることができます。

ここまでが数値予報とその前後の至極大雑把な流れです。

図にはまだ四次元データ同化、アンサンブル、予報精度などの単語が出てきます。

これらの説明は次回のお楽しみとします。楽しんでいただけると嬉しいです。