防災気象情報と警戒レベル

近年、気象に関する警報や情報がどんどん増えたため、何をしたらいいか分からないという人も多いかと思います。

そこで5段階の警戒レベルが作られ、防災情報と住民の行動が紐づけされました。

今回、この5段階の警戒レベルを軸に様々な防災気象情報を一つの表にまとめたので順に考えていきます。

この記事では表の右半分の警報・注意報・情報を取り上げます。左半分の危険度分布(キキクル)と指定河川洪水予報は次回のお楽しみということにします。

今回と次回の記事では全体を網羅することを目的として簡潔に説明しています。正確な定義と詳細な説明は気象庁のホームページで確認してください。このブログでも順次加えていくつもりです。

1.防災気象情報とは

◆ 目的大雨や暴風などの気象現象によって発生する災害の防止・軽減

◆ 種類警報・注意報・早期注意情報(警報級の可能性)、気象情報など

◆ 発表気象庁(単独、一部共同)

◆ 役割:分かりやすく言うとこんな感じです。

 ◎ 自治体が避難情報を発令するかどうかの判断に役立てる

 ◎ 「今、こんな状況ですよ」と住民に知らせ避難情報が出た時のために心の準備をしてもらう

2.警戒レベルと取るべき行動

< >は自治体が発令する内容です。

■ 警戒レベル5<緊急安全確保>

何らかの災害がすでに発生している可能性が極めて高い状況

命の危険が迫っているため直ちに身の安全を確保する

■ 警戒レベル4<避難指示>

この段階で全員が避難するよう呼びかけられている

自治体からの避難指示の発令に留意するとともに、キキクル等の情報を用いて自ら避難の判断をする

■ 警戒レベル3<高齢者等避難>

高齢者等は危険な場所からの避難が必要とされる

■ 警戒レベル2

ハザードマップ等により、災害が想定されている区域や避難先、避難経路を確認する

■ 警戒レベル1

最新の防災気象情報等に留意するなど、災害への心構えを高める

3.警戒レベルと警報等

3-1.  警報等の意味と発表

◆ 特別警報警報の発表基準をはるかに超える大雨等が予想され、重大な災害が発生するおそれが著しく高まっている場合に発表し警戒を呼び掛ける

◆ 警報重大な災害が発生するおそれのあるときに警戒を呼びかけて行う予報

◆ 注意報災害が発生するおそれのあるときに注意を呼びかけて行う予報

◆ 早期注意情報(警報級の可能性)警報級の現象が5日先までに予想されているときに、その可能性を[]、[]の2段階で発表

警報等は気象庁が単独で発表します。

ここから表をもとに順に説明していきます。

3-2. 大雨警報等と警戒レベル

▶ 大雨特別警報【レベル5】

大雨特別警報と大雨警報には災害別に土砂災害浸水害に分けられています。

▶ 大雨警報(土砂災害)【レベル3】

▶ 大雨注意報【レベル2】

ただし、夜間~翌日早朝に大雨警報(土砂災害)に切り替える可能性が高い注意報はレベル3に相当します。

3-3. 洪水警報等と警戒レベル

▶ 洪水警報【レベル3】

▶ 洪水注意報【レベル2】

3-4. 高潮警報等と警戒レベル

▶ 高潮特別警報【レベル4】

▶ 高潮警報【レベル4】

▶ 高潮注意報

 警報に切り替える可能性が高い旨に言及されているもの【レベル3】

 警報に切り替える可能性に言及されていないもの【レベル2】

3-5. 早期注意情報(警報級の可能性)と警戒レベル

▶ 大雨と高潮に関する早期注意情報の「高」と「中」【レベル1】

3-6. 大雨警報と洪水警報の雨量指数

大雨警報と洪水警報の発表には指数というものが判断基準として用いられています。

いずれもタンクモデルという考え方を用いますが、詳しいことは別の機会に回します。

◎ 土壌雨量指数大雨警報(土砂災害)

降った雨が浸み込んで土壌中に溜まる量で、土砂災害のリスクの高まりを把握するための指標です。

◎ 表面雨量指数大雨警報(浸水害)

短時間強雨により雨が浸み込まずに地表面に溜まる量で、浸水害のリスクの高まりを把握するための指標です。

◎ 流域雨量指数洪水警報

雨が上流域から集まり河川を流れ下る量で、洪水害の高まりを把握するための指標です。

4.警戒レベルと気象情報

4-1. 気象情報とは

下記の目的で発表される情報です。

◇ 予告的な機能:警報・注意報に先立って注意・警戒を呼びかける

◇ 補完的な機能:警報・注意報の発表中に現象の経過、予想、防災上の留意点等を解説

4-2. 土砂災害警戒情報と警戒レベル

▶ 土砂災害警戒情報:【レベル4】

土砂災害警戒情報は大雨警報(土砂災害)の発表後土砂災害がいつ発生してもおかしくない状況となったときに、警戒を呼びかける情報です。

都道府県気象庁が共同で発表しています。

4-3. 顕著な大雨に関する気象情報

◆ 顕著な大雨に関する気象情報とは・・

簡潔に言えば線状降水帯に関する情報です。

警戒レベル4相当以上の状況で発表され、警戒レベル相当情報を補足するものです。

気象庁のホームページに載せられている説明は以下になります。

『大雨による災害発生の危険度が急激に高まっている中で、線状の降水帯により非常に激しい雨が同じ場所で実際に降り続いている状況を「線状降水帯」というキーワードを使って解説する情報です。』

◆ 発表基準・・

発表基準については少し複雑なので、ここでは取り上げませんが、次回扱うキキクルにおいて土砂災害警戒情報の基準又は洪水警報の基準より高い基準となっています。

◆ 新たな運用・・

線状降水帯による大雨の危機感を少しでも早く伝えるため、令和5年5月25日(木)から、最大30分程度前倒しして発表するようになりました。

※ 線状降水帯予測情報(参考として)

線状降水帯による大雨の可能性がある程度高いことが予想された場合に、半日程度前から、警戒レベル相当情報を補足する解説情報として発表されます。

4-4. 記録的短時間大雨情報

発表基準

◎ 数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨を観測又は解析

◎ 雨量基準(1時間雨量歴代1位または2位の記録を参考)を満たす

◎ 大雨警報発表中である

◎ キキクルの「危険」(警戒レベル4)が出現している

以上が警報等と幾つかの気象情報と警戒レベルの関係の説明になります。

次回は危険度分布(キキクル)と指定河川洪水予報と警戒レベルの関係に移ります。