コリオリの力の仕組み(コリオリ01)

「コリオリ力(転向力)」なる ややこしい概念を学ばなければいけないのは誰のせい?

地球のせいです。地球が球体で自転しているからです。

ここではコリオリ力(こりおりりょく)の仕組みを感覚で分かるようにまとめました。

コリオリ力がどんなものかについては下記の記事を参考にしてください。

⇒ 「コリオリの力(転向力)を分かり易く(コリオリ02)」 または

⇒ 「コリオリの力(転向力)って何?(コリオリ1)

さっそく上のイメージ図から説明します。(スマホでは横向きの方がよく見えます)

1.3次元から2次元へ

左上に地球儀がありますね。既に述べたように球体+自転」がコリオリ力を知る上でのカギとなります。

そして、普通に勉強していくには、球体という立体的(3次元)なものを平面(2次元)に直して考えなければなりません。これがコリオリ力を理解するのを難しくしています。

2.観点の違い

大きなスケールの気象現象の場合、それをどこに立って見るかが重要になってきます。それを地球と人工衛星で例えて考えます。図の下側の4つの地球を見てください。左上の地球から説明します。

 【2-1 宇宙から見た場合】

今、北緯65度付近のベーリング海峡上空の人工衛星が真南に向かって真っすぐ飛んでいるとします。

6時間後の位置を見てください。人工衛星は北緯15度付近にまで南下しています。

人工衛星の進む方向は変わっていませんが、地球が自転しているため、人工衛星の位置はベンガル湾上空になっています。黒い矢印が宇宙から見た人工衛星の軌跡です。

【2-2 日本から見た場合】

日本にいて、この人工衛星を見るとどうなるでしょうか?

最初、人工衛星はベーリング海峡あたりにいますから日本から見ると北東方向の空に見えるでしょう。

6時間後はどうでしょう?人工衛星はベンガル湾上空、つまり日本から見て南西方向上空に見えるでしょう。

つまり、自転している地球上から見ると、人工衛星は真南ではなく南西方向に飛んでいることになります。しかも、この後 考えますが、その軌跡は真っすぐどころか曲線を描いて飛んでいるように見えます。

このように、動いている地上から見ると、本来の進行方向とは違った方向に進んでいるように見える、このことが「見かけの力」の「見かけ」に結びついてきます。

3.緯度による自転速度の違い

地球の自転速度は赤道で最大になり緯度が高くなるに連れて小さくなっていきます。図の上の方を見てください。

これは北極(N)を中心とした地図です。地球が4分の1 回転すると(約6時間後)、北極に近い高緯度では物体は青い矢印で表した短い距離を移動します。

一方、もう少し北極から遠い低緯度では物体は紫の矢印で表した長い距離を移動することになります。

この違いがあると、先ほどの地球上から見た時の物体の動きは直線ではなく曲線になります。

このあたりの詳しい説明は以前に書いた次の記事を参照してください。

⇒ 「中心から端へ(コリオリ3)」及び「円盤の端から中心へ 続き(コリオリ5)

4.実態がないけど大切なコリオリ力

このように自転している地球上で物体が移動するとき、異なる緯度を横切るため、地球とともに動いている我々からすると、物体が何かの力を受けて進行方向が曲がっていくように見える時、この見かけ上の力をコリオリ力と呼ぶ、そういう仕組みになります。

厳密な定義は別として初心者が感覚的に掴むには、このような説明が納得がいくと思いますが、どうでしょう。

注:イメージ図の右端では、赤い矢印をコリオリ力としていますが、実際のコリオリ力のベクトルを示しているわけではありません。

参考までに次の説明も分かり易いでしょう。

『自転する地球では、運動する物体に対して進行方向を曲げる力が直角に働いている。これをコリオリの力(転向力)という。』(「プロが教える気象・天気図のすべてがわかる本」ナツメ社 岩谷忠幸監修)

このコリオリ力が気象学において重要な「風」、つまり地衡風を作り出します。

地衡風を始め「~風」と呼ばれる現象や関係する「~力」については「大気の力学と運動」の項目の各記事を読んでください。