前回のブログで地球規模の大気運動としてハドレー循環と貿易風があることを書きました。
ハドレー循環は南北方向と鉛直方向、貿易風は東西方向に着目した大気運動です。
この2つは別個のものではなく、セットになっています。
それを表現したのがこのイメージ図です。
3次元の風の循環
一部手書きで分かりづらいかもしれませんが、指輪のように見える赤い楕円がハドレー循環の大気(風)の流れです。以下、この流れの中で生じている現象を4つに分けて説明します。
循環しているので どれが最初に起きたということは言えませんが、左下の上昇気流から始めます。(設定を北半球の海洋とします)
1.赤道付近の暑い空気が上昇し、雲が発生する(左下)
2.上昇した気流は上空で北に向かうが、コリオリの力によって右向きに変えられ南西風になる(左上)
3.次第に冷やされ、北緯30度付近で下降気流となる(右上)
4.海にぶつかった下降気流は南へ向かうが、コリオリの力によって右向きに変えられ北東風になる。これを北東貿易風と言う(右下)
赤道付近でまた暖められ上昇し、1~4を繰り返す
南低北高
さらに付け加えます。
北緯30度付近は亜熱帯高圧帯と言い、ここで下降気流が生じています。
赤道付近の気圧の低い部分は赤道低圧帯と言います。
このあたりでは北半球の北東貿易風と南半球の南東貿易風がぶつかり合い上昇気流が生じています。それでその付近を熱帯収束帯とも言い、台風の多くもここで発生します。熱帯収束帯は季節によってその位置が変わり、夏には南西諸島あたりまで来ることがあります。
ここまででハドレー循環と貿易風についてごく簡単に説明しました。極循環と極偏東風についても同様の立体図を描くことができます。
一番難解なのがフェレル循環と偏西風ですね。じっくりやっていきます。