前回の記事で台風が上陸した場合、接近した場合の違いを(特に風について)考えました。
今回は過去に同じように房総半島に接近または上陸した二つの台風による被害について取り上げます。
これは昨日(2018/08/07)TBSテレビ「ひるおび」の中で気象予報士の森朗さんの説明を基にしています。
接近したケース(1996年台風17号)
次の図から説明します。
17号は9月22日に房総半島沖を進みました。
最接近時の中心気圧は 960hPa ですが、前日の中心気圧は 955hPa ですから、あまり衰えずに近づいてきました。
この台風による被害は大きいもので、死者13人、負傷者96人、床下浸水は1万棟以上でした。
また、雨も千葉県、東京都、神奈川県では200mm を越えました。
他にも千葉県では土砂崩れ、冠水、そして東京ではお濠の増水などの被害がありました。
上陸しなくても大きな被害が出ることがあります。
上陸したケース(2005年台風11号)
11号は伊豆半島、三浦半島をかすめ房総半島に上陸し東に抜けました。
この時の上陸前の台風の中心気圧は 955hPa で、先に挙げた1996年17号台風と同じです。
でも上陸後には 980hPa にまで上がってます。
この時は静岡県の御前崎で最大瞬間風速 45.7m/s を記録しました。
また雨についても、神奈川県の箱根では8月25日の雨量が観測史上1位の 528mm を記録しました。さらに6つの河川で危険水域を越えました。
他にも静岡県から千葉県にかけて土砂崩れ、冠水、倒木、停電などの被害がありました。
どちらも要警戒
二つの台風の被害について考察すると、接近でも上陸でも大きな被害が出る可能性は十分あることが分かります。
でも傾向としては上陸の場合、台風の中心付近と中心の東側で風による被害がより大きくでる印象があります。これは危険半円ということを考えれば当然でしょう。
雨についてはどちらも台風の位置や地形によって大きな被害が生じるので警戒が必要ですね。