雲の発生5(力学的エネルギー)

ここしばらく、断熱膨張と気温の低下についてイメージで考えてきましたが、ここではもう少し突っ込んで熱、膨張、エネルギーの関係について「熱力学の第一法則」から考えていきます。

これから考えることを上記の図に表しました。ちょっとごちゃごちゃしてるかもしれませんね。図の中で特に大事な言葉は「内部エネルギー」と「熱運動」です。順に考察していきます。

その前に「力学的エネルギー」について考えます。

この図で手が青い箱を押して(力を加え)箱が動く(力の方向に運動する)とき、手は箱に対して仕事をしたと表現します。さらに

物体が他の物体を動かすことができる状態にあることを「物体はエネルギーを持っている」と言います。

言い換えれば、エネルギーを持った物体は他の物体に仕事をさせる能力があると言えます。

力学的エネルギーには運動エネルギーと位置エネルギーがあります。

1.位置エネルギー

この図のボールAは高い位置にあります。もしこのボールが落下するなら下のボールBにぶつかりBを動かします(つまり仕事をします)。この場合、Aは高い位置にあるということでエネルギーを獲得しています。これが位置エネルギーです。

2.運動エネルギー 

運動エネルギーについて例えで考えます。アメフトの選手が全力で走り込んでいるなら、他の選手を突き飛ばすことができますよね。この場合、走っている選手はエネルギーを持っている、そんなイメージでしょうか。

このように選手Aが選手Bに向かって運動しBにぶつかるならBは動きます。この場合のAは運動エネルギーを持っているということになります。このように運動している物体が持つエネルギーを運動エネルギーと言います。

それで力学的エネルギーは位置エネルギーと運動エネルギーの合計であることが分かります。

力学的エネルギー = 位置エネルギー + 運動エネルギー

さて、最初のイメージ図ではもう一つ「内部エネルギー」というのが出てきます。

これまで考えてきたような力学的エネルギーは物体の持つエネルギーです。しかし各々の物体は分子や原子で出来ています。分子や原子もそれぞれがエネルギーを持っていて、これら物体内部に蓄えられているエネルギーを「内部エネルギー」と呼びます。

内部エネルギーも位置エネルギーと運動エネルギーに分類できます。次回以降の記事で考察していきます。


 まとめ

物体がエネルギーを持っている = 他の物体を動かすことができる状態

仕事 = 他の物体に力を加えて力の方向へ運動させること

力学的エネルギー = 位置エネルギー + 運動エネルギー