層厚(そして温度風の関係)

層厚(緯度と気圧傾度)

温度風について知るためには地衡風について地球レベルで考える必要があります。

今回は温度風を理解するための基礎知識の一つ「層厚」を取り上げます。

緯度から温度風へ

始めに温度風に至る要素の全体像を以下の通りにまとめました。

1.緯度

2.気温

3.層厚

4.気圧傾度

5.地衡風

6.温度風

こうして並べると温度風を知るには緯度(水平方向)と高度(鉛直方向)の二つの視点が必要なことが分かります。

緯度から気圧傾度へ

今回は上記の1.から4.を取り上げます。イメージ図を説明します。北半球として考えます。

1.緯度 

 右方向が低緯度(南)

 左方向が高緯度(北)

2.平均気温(緯度の違いによる

 南(赤道方向)が高い(暖かい)

 北(北極方向)が低い(寒い)

3.層厚 = 気層の厚さ気温の違いによる

 暖かいと厚い

 寒いと薄い

4.気圧傾度(層厚の厚さの違いによる

 a) 図では700hPa,500hPa,300hPa の等圧面高度を線で引きました。

 b) 地上から 700hPa までの層厚を見ると南方向が厚く北方向が薄くなっています。このため、南から北へと向かう気圧傾度力(小)が生じます。

 c) さらに 700hPa から 500hPa までの層厚も南が厚く北が薄くなっていて、さらに気圧傾度力が生じます。この場合、b) の気圧傾度力(小)がプラスされるので、気圧傾度力は(中)となります。

 d) 500hPa から 300hPa までの層厚も同様に南が厚く北が薄く、気圧傾度力が生じます。

ですから 300hPa の等圧面の南北での気圧傾度力は c) の気圧傾度力(中)がプラスされるので、(大)となります。

このようにして高度が増すにつれ気圧傾度力は大きくなります。

温度風の関係

地衡風の強さは気圧傾度力に比例するので、上空高いところほど地衡風は強く吹くということが理解できます。これが温度風の関係です。

温度風の関係とは… ざっくり言うと 上空に行くほど地衡風が強くなる ということ。

もうちょっと専門用語で定義すると 水平温度傾度と地衡風の鉛直速度傾度の関係(「かんたん合格テキスト) と言えます。

分かったようで、でもピンと来ないと思いますので(=私)、次回も地球レベルの地衡風の吹き方について、さらには関連して偏西風、ジェット気流についても順次取り上げていきます。