前回の記事では降水に特化した短時間の予報について調べました。
今回は気象予報について期間別に調べていきます。
1.表の見方
おおよそ見たまんまですが説明します。
横の列は左から右へと予報の対象となる期間が長くなります。
縦の欄の項目を上から説明します。
▶ 発表:発表時刻
▶ 間隔:何時間ごとの天気を予想するか
▶ 期間:どれくらい先までの予報をするか
▶ 範囲:上から下へと対象範囲が狭くなる
▶ 要素:予報の対象項目
▶ 予測モデル:予報に用いられる予測手法(数値予報モデル等)
2.短期予報
2-1. 共通項目
ここから一つ一つの予報について説明します。
短期予報には基本となる府県天気予報と予報を面で表す天気分布予報、時系列で表す地域時系列予報があります。
3つに共通する項目は発表時刻、発表要素として天気、予測モデルです。
2-2. 府県天気予報
いわゆる天気予報というのは府県天気予報のことです。(上の表の短期予報の右端です)
また、下に気象庁ホームページに載せられていた実際の府県天気予報のサンプルを載せたので参考にしてください。
▶ 発表時刻・・5時、11時、17時の1日3回です。朝、出社・登校する時に見る天気予報は大概5時発表のものになりますね。
▶ 予報間隔・・1日を6時間ごと4回に区切って予想します。降水確率の欄を見ると分かりやすいですね。
▶ 予報期間・・明後日までです。
▶ 対象範囲・・府県予報区を地域ごとに細分した「一次細分区域」単位で発表します。
例えば神奈川県では東部と西部の2つの一次細分区域があります。
▶ 予報要素・・
◇ 天気(「晴」「曇」「雨」「雨または雪」「雪」のいずれか)
◇ 気温(日中の最高気温と朝の最低気温)
◇ 降水(降水確率)
◇ 風(風向・風速)
◇ 波(高さ)
※ 上の表を見ても分かるように気温と降水の予報は明日までで明後日の予報はありません。明後日の分は週間天気予報に含まれています。
▶ 予測モデル・・数値予報モデルの中でメソモデル、全球モデル、MEPS(メソアンサンブル予報システム)によって予報します(数値予報モデルについては別記事で取り上げます)。
2-3. 天気分布予報
日本全国を5km四方のメッシュに分け、全国または各地域の天気要素の分布と変化傾向がひと目で分かるようになっています。
▶ 発表時刻:5時、11時、17時
▶ 予報間隔:3時間
▶ 予報期間:翌日24時まで
▶ 対象範囲:5kmメッシュ
▶ 予報要素・・
◇ 天気(「晴」「曇」「雨」「雨または雪」「雪」のいずれか)
◇ 気温(平均気温、日中の最高気温と朝の最低気温)
◇ 降水(降水量、降雪量)
▶ 予測モデル・・メソモデル、全球モデル、MEPS
2-4. 地域時系列予報
予報要素を3時間ごとに表示したものです。府県天気予報をもとに作成されます。
▶ 発表時刻:5時、11時、17時
▶ 予報間隔:3時間
▶ 予報期間:明日24時まで
▶ 対象範囲:一次細分区域単位
▶ 予報要素・・
◇ 天気(「晴」「曇」「雨」「雨または雪」「雪」のいずれか)
◇ 気温(3時間ごとの気温、日中の最高気温と朝の最低気温)
◇ 風向・風速
▶ 予測モデル・・メソモデル、全球モデル、MEPS
3.中期予報(週間天気予報)
発表日翌日から7日先までの期間の予報を、「府県週間天気予報」という形式で毎日発表しています。
▶ 発表時刻:11時、17時
▶ 予報間隔:1日ごと
▶ 予報期間:発表日翌日から7日先まで
▶ 対象範囲:府県予報区ごと
▶ 要素:天気、最高・最低気温、降水確率
▶ 予報の信頼度・・
『3日目以降の降水の有無の予報について「予報が適中しやすい」ことと「予報が変わりにくい」ことを表す情報で、A、B、Cの3段階で表します。』(気象庁ホームページより)
▶ 降水量と気温の平年値・・
平年値とは過去30年間に観測した降水量と気温の平均です。
『ホームページには、「予報期間7日間で合計した降水量の平年並の範囲」と「予報4日目の最高気温・最低気温の平年値」を掲載しています。』(気象庁ホームページより)
▶ 予測モデル:全球モデル、全球アンサンブル予報システム(GEPS)
短期予報と中期予報の概略は以上です。次回は長期予報を考えます。