温暖前線と寒冷前線に伴って生じる雲の種類を挙げてみると十種雲形のほぼ全部が見られます。必ず全ての種類の雲ができるわけではありませんが、今回は無理やり(?)当てはめて考えてみます。イメージ図で説明しますね。
1.やって来る雲の順番
上の低気圧の点線で結んだ線の鉛直断面図が下の絵になります。
右端の巻雲から左端近くの積乱雲まで❶から❿の数字を付けました。これで10種類となります。
低気圧が近づく時、地上にいる人(だいたい人は地上にいますが)が空を見上げると、おおよそこの数字の順番で雲が通り過ぎると言えます。
ただ、よく見られる雲とそうでもない雲があるので、その違いを文字の大きさで表現しました。大きい文字の方が代表的な雲と捉えてください。
2.温暖前線の雲
低気圧の接近に伴って温暖前線が近づくと層状雲の括りの雲がやって来ます。おおよその順番は次の通りです。
巻雲⇒巻層雲⇒高層雲⇒乱層雲
巻層雲の代わりに、または巻層雲と共に巻積雲が発生する場合があります。
同様に高層雲と共に高積雲が見られることがあります。他にも層積雲や層雲が生じていることもあります。
3.暖気側
低気圧の南側の暖気側では晴れますが積雲が発生することがあります。
4.寒冷前線の雲
やがて寒冷前線と共に積乱雲がやって来ます。積乱雲ほどに発達しなくても積雲などの対流雲が主になります。
寒冷前線側にも高積雲や層積雲が発生することがあります。
図の赤の矢印は暖気の気流、青は寒気の気流です。どんな雲が発生するかは風の上昇具合によって決まるのが分かります。
雲は気象好きにとって一番気にかかり、そして心惹かれるものですが、文章にするとちょっと味気ないですね。さて、次回は気団について取り上げます。