発散、収束のキホン

水平発散、収束

前回の記事で、発散、収束、それに渦度を一つの図にまとめるという大胆な事をしましたが、ここからは一つ一つ地道に取り上げていきます。

負の発散って何?

発散と収束の意味は以下の通りです。

● 発散・・・風が散らばる

● 束・・・風が集まる

ここからは上記のイメージ図を参照にしてください。

発散と収束は意味からしても真逆の現象だと言えますね。

今は詳しく取り上げませんが数式上では発散を +(プラス)で表します。

収束は発散の逆ですから「負の発散」という言い方もし、数式上 -(マイナス)で表します。

発散 +

負の発散(=収束) -

さらに発散と収束には、それぞれ速度に依存するものと方向に依存するものとがあります。

1.方向発散、方向収束(図の右側)

図の右側が方向に依存する発散、収束です。こちらは前回 挙げた低気圧の例でイメージできると思います。

低気圧では地上付近(低層)で収束が、上空(高層)では発散が生じています。

高気圧では地上付近(低層)で発散が、上空(高層)では収束が生じています。

高気圧、低気圧以外でも発散、収束は生じます。

水平発散、収束

2.速度発散、速度収束(図の左側)

● 矢印は二つの地点から動く空気塊(=風)を表現しています。

● 前の空気塊を後ろの空気塊が追いかけるように移動しています。

2-1. 速度発散の場合(上)

● 前方の空気塊の方がより移動速度が大きい(=風速が大)とします。

● 時間が経つに連れて二つの空気塊の間に隙間(散らばるところ)ができて、これが発散となります。

2-2. 速度収束の場合(下)

● 後方の空気塊の方が移動速度が大きい(=風速が大)とします。

● 次第に後方の空気塊が前方の空気塊に追いつき、空気塊が重なる(集まる)ことによって収束が生じます。

さて、発散、収束は上昇気流、下降気流ともかかわってきます。次回はそのテーマで進めます。