大気境界層では高度が上がるに連れ 風向きが右回りに変わって行く、というのがエクマン・スパイラルの意味です。
エクマンとはエクマン層、つまり摩擦層のこと。スパイラルとは らせん、渦巻き のことです。上記の図から説明します。
大気境界層の分類(図の左側)
大気境界層(プラネタリー境界層)は下から接地層、摩擦層(エクマン層)、移行層に分けられます。
上空から見た風向風速(図の中央)
矢印は上から見た時に(つまりずっと高い上空から真下を見た時に)、風向、風速が高度とともにどのように変化するかを示しています。
ですから、矢印の向きが下から斜め上の方に向いているように描かれていますが、これは垂直方向ではなく上から見た時の水平方向の向きを表しています。
それぞれの風向を重ねてみると(図の右側)
地上付近の緑の矢印(地上風)から自由大気の青い矢印(地衡風)までを重ねてみると(分かり易いように風の強さは同じにしました)、地上から上層に向かうに連れ、風向が時計回りに変化することが分かります。これがエクマン・スパイラルです。
このように高度によって風向風速が変化していくことは、温度風につながる考え方です。