温度風の考え方1

温度風1

温度風とは実際に吹いている風じゃない・・なのに風?

どうして「温度」なの?何の意味があるの?

素朴な疑問を抱きつつも温度風にたどり着くまで随分遠回りしてきました。

しばらく前に下の図に沿って「~風」について取り上げました。

4つの力によってどんな風が生じるかをまとめたものです。

この中で、一番かぎとなる風は地衡風でしょう。温度風も地衡風が深く関係しています。

温度風の定義について取り上げる前に、温度風にかかわる三つの要素を挙げてみます。

A.地衡風

B.高度

C.温度

温度風なるものを考慮する意味はC.に関係します。別の記事で取り上げますが「温度移流」を調べるのに必要なのです。

1.温度風の定義

では次に、温度風の定義を幾つかのテキストから抜粋します。

「温度風とは実際に吹いている風ではなく、異なる高度間の地衡風の鉛直シアのことをいいます。風の鉛直シアとは、上層風と下層風の風速ベクトルの差のことです。」(「気象予報士かんたん合格テキスト」より)

「シアとは、2つの風の風向風速が異なっていることを言い、水平方向の2地点の風の違いを比較したものは水平シア、鉛直方向の2地点の違いを比較したものは鉛直シアと言います。」(「気象学のキホンがよ~くわかる本」より)

2.温度風の考え方

上記の定義で分かったような気もしますが、イメージ図で確認します。

1 下層で吹く地衡風の風向風速のベクトル(例として700hPa)

温度風の考え方1

● 左端の矢印:高度

A₀ (A0):地上のある地点(ピンクの丸)です。

● 中央の水色の四角

A₀ の上空の700hPa面を真上から見た様子とします。四角の上側を北とします。

A₇(A7)は700hPa 面におけるA₀の真上に相当する地点です。

● 水色の矢印:地衡風のベクトル

この場合、上が北ですから西北西の風が吹いていることになります。

2 上層で吹く地衡風の風向風速のベクトル(例として300hPa)

温度風の考え方2

● 中央の紺色の四角

A₀ の上空の300hPa面を真上から見た様子とします。四角の上側を北とします。

A₃(A3)は300hPa 面におけるA₀の真上に相当する地点です。

● 紺色の矢印:地衡風のベクトル

この場合、上が北ですから西南西の風が吹いていることになります。

3 下層の地衡風と上層の地衡風を(高さは無視して)合わせて見ると

温度風1

● A上空のピンクの地点から高度の違いにより、2方向へ地衡風が吹いていることになります。

● 下層(700hPa) の地衡風ベクトルと上層(300hPa) の地衡風ベクトルの差を取ると、赤い矢印のベクトルとなり、この違いが鉛直シアすなわち温度風というわけです。

以上が温度風についてのざっくりした理解です。最初に挙げた温度風にかかわる要素のうち、温度や温度移流(寒気、暖気の流入)については次回以降、順次取り上げて行きます。

※ 鉛直シアと台風の勢力についての記事も読んでください 

 ⇒ 鉛直シアが台風を崩す

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