気圧とは何か?気象庁のホームページではこのように説明されています。
『大気の圧力。通常、ある地点の気圧はその点を中心とする単位面積上でその上の空気柱の総重量が相当する。』
簡単に言えば気柱の重さですね。
それはいいとして、気象学を学んでいくと、気圧と体積・質量・密度・温度などとの関係が出てきます。気体の状態方程式ってやつです。
そこでは気柱の重さなんてことは一言も出て来なくて、どうやら気圧は空気分子の衝突によって生じるらしいということが分かってきます。
気柱の重さというのは、つまりたくさんの空気分子の重さの合計です。
結局、気圧って空気分子の重さのこと?それとも空気分子の衝突の強さのこと?
これからしばらく、その疑問を解いていきます。
1.気圧は気柱の重さ
まずは私の理解をまとめた次のイラストをご覧ください。
◆ アパート:気柱
◆ 住民(と猫):空気分子
◆ 住民(と猫)全員の体重の合計:気柱の重さ(建物の重量は無視します)
◆ アパートを支えている人たちにかかる圧力:気圧
ここで少し見方を変えて、アパートを縦より横に長い建物とみなすことにします。すると以下のように意味が変わってきます。
2.気圧は空気分子の衝突
◆ アパート:気層
◆ アパートの部屋:空気塊
2回真ん中の部屋の住民はなぜか壁を蹴り上げています。
◆ 壁を蹴る:空気分子が衝突する
◆ 壁が受ける圧力:気圧
壁を蹴ってる人は何か嫌な事があって怒りで熱くなっているのかもしれませんね。
空気に当てはめると、温度が高くなると気圧が高くなるといった具合でしょうか。
気体の状態方程式は上記の意味での気圧と気温・質量・体積・密度との関係を表現したものといえます。
3.2つの「気圧」は互いに無関心
アパートを支えている人たちにとっては、アパートの住民が壁を蹴ろうと喧嘩しようとアパートの重量は変わらないので、アパートの重さという意味の気圧は変わらないといえます。
一方、アパートの住民たちは壁を蹴ったり蹴られたりしてストレスになりますが、自分たちはアパートを支えているわけではないので、アパートの重量はどうでもいいことです。
実際はそう単純な話ではないですが、ここではこのように頭を整理することにします。
4.結局何が違う?
簡潔にまとめると
■ 気柱の重さ:気圧の定義
■ 空気分子の衝突:気圧の性質
でも、まだしっくりこないという人もいるかもしれません(私もそうでした)。
どちらかというと、空気分子の衝突による気圧の方が理解しやすいのではないかと思います。
気柱の重さという本来の気圧の意味については静力学平衡のところで、頭がモヤモヤする人も多いのではないかと思います(私だけ?)
この後は幾つかのブログ記事でその点を考えていきます。
先にヒントをいうと空気は流体であるということです。
でもその前に、気圧とは何か?につながることとして質量・重力・重さ・気圧の関係を次回のテーマとして考えます。
ではこれからもお付き合いしていただけると嬉しいです。