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エルニーニョ現象とラニーニャ現象の概要(気候変動1)

異常気象と気候変動には外的要因人為的要因)と内的要因自然的要因)があるとしているテキストが多いようです。

外的要因の代表として人間活動による二酸化炭素の排出が挙げられ、その結果として地球温暖化が生じていると言われます。

内的要因の代表格としてよく耳にするのはエルニーニョ・ラニーニャ現象でしょう。

ただ、地球温暖化はエルニーニョ・ラニーニャ現象を強めるという研究もあるようです。

いずれにしろ、エルニーニョの影響で日本が冷夏になるといった話を聞くと、気象と気候は空と海を通じて世界中どことでもつながっているんだと実感します。

今回は天気解説でもよく取り上げられるエルニーニョ現象とラニーニャ現象について調べていきます。

1.エルニーニョ現象とラニーニャ現象とは

◆ エルニーニョ現象は、太平洋赤道域の中央部(日付変更線付近)から南米のペルー沿岸にかけての広い海域で、海面水温が継続して上昇する現象をいいます。

◆ ラニーニャ現象は、同海域の海面水温が平年より低くなる現象をいいます。(以上「気象予報士かんたん合格テキスト」より)

エルニーニョとはスペイン語で男の子、ラニーニャは女の子を意味します。ここでは男の子を熱男、女の子を冷子と勝手に呼びます。

冒頭のイメージ図は全体像をまとめたもので、太平洋赤道域の海と大気の鉛直構造を表現したものです。3つのパターンに分けて順に考えていきます。

2.エルニーニョ現象とラニーニャ現象の概要

2-1. 通常の状態

下の図から説明します。

◎ 貿易風

太平洋の東側(図の右側)に南米ペルー、西側(図の左側)にインドネシアがあります。

この辺りは貿易風という東風が吹いています。

◎ 海面水温

貿易風ため、海面に西向きの海流が起きて海面付近の暖かい海水(暖水)を西側に吹き寄せます

西側では暖水の層が厚くなり海面水温が上昇します。

一方、東側では暖水の移動を埋め合わせるために下層の冷水が湧き上がってきます。これを湧昇(ゆうしょう)といいます。

もともと太平洋東部では寒流の影響で低緯度の割には海面水温が低くなっていますが、湧昇によってさらに温度が下がります

でも、湧昇のおかげでプランクトンが多く、そのプランクトンを餌にするアンチョビ(カタクチイワシ)のよい漁場となっています(ということで魚を泳がせました)。

◎ 海面高度

太平洋東部の海面より西部の海面が40cmほど高くなっています。

◎ 大気の状態

太平洋西部では海面上の空気が暖められ上昇気流が発生して積雲対流が起き積乱雲が発生します。

積雲対流は潜熱を放出して大気はさらに温まり、低気圧が発生しやすくなります。

逆に東部では冷たい海面上で下降気流が起きて高気圧ができやすくなります。

2-2. ウォーカー循環

図にあるように、貿易風である東風は太平洋西部で上昇し、上空で西風となって東に向かい太平洋東部の高気圧帯で下降し、また貿易風となって西に向かいます。

この太平洋赤道付近の大規模な東西循環ウォーカー循環といいます。

ハドレー循環が南北方向、ウォーカー循環が東西方向というわけですね。

2-3. エルニーニョの場合~熱男

◎ 貿易風

何らかの理由により貿易風が弱まります。

◎ 海面水温

東風が通常より弱いと暖水を西側に吹き寄せる力が弱くなります。

そのため、暖水は太平洋中部にも広がるようになり海面水温が上昇します。熱男の登場です。

また、太平洋東部では湧昇が弱くなり冷水が上がって来ないこともあり、海面水温が上昇して東西の海面水温の差が小さくなります。

冷水湧昇が弱くなるとアンチョビが獲れなくなるそうです。もともとエルニーニョはペルーやエクアドルの漁師さんたちにとっての問題だったのですね。

◎ 海面高度

海面高度は東部では通常より上昇し、西部では通常より下降するので高度差が小さくなります。

◎ 大気の状態

太平洋中部の海水温度が上昇するため積雲対流も太平洋西部から東に移り、そこで積乱雲が発達します。

2-4. ラニーニャの場合~冷子

◎ 貿易風

貿易風による東風が通常より強まります。

◎ 海面水温

強い東風により西向きの海流が強まります。

暖水はさらに西側に吹き寄せられインドネシア側では暖水の層が厚くなり海面水温が高くなります。

一方、東部では暖水の移動が強まることによって、それを補うように通常以上に冷水湧昇が強まります。

そのため、冷水域が太平洋東部から中部にかけて現れます。冷子が頭を出します。

◎ 海面高度

通常の状態と比べて、西側では高度が上昇し東側では下降するので東西の高度差が大きくなります。

◎ 大気の状態

太平洋西部では積雲対流が通常より強化されます。積乱雲はより西側に寄り、通常以上に発達します。

3.エルニーニョ・ラニーニャ現象の影響

エルニーニョ・ラニーニャ現象は世界中の気象に影響を及ぼすことが知られています。

例えば、エルニーニョ時には日本では暖冬・冷夏になる傾向があります。ラニーニャ時には厳冬、夏は猛暑になる傾向があります。傾向ということで必ずそうなるわけではありません。

以上がエルニーニョ・ラニーニャ現象のあらましです。

エルニーニョ・ラニーニャ現象は南方振動という現象に深く関わっています。南方振動についてもいずれ取り上げる予定です。

4.まとめ

▶ エルニーニョ現象・・太平洋赤道域中央部から東部ペルー沿岸にかけて海面水温が継続して上昇する現象

▶ ラニーニャ現象・・同海域の海面水温が平年より低くなる現象

■ エルニーニョ現象の仕組み

貿易風が弱まる

◎ 暖水域が広がる

◎ 冷水湧昇が弱まる

中部から東部で海面水温が上昇

積雲対流が太平洋中部に移る

■ ラニーニャ現象の仕組み

貿易風が強まる

◎ 暖水域がより西部に偏る

◎ 冷水湧昇が強まる

中部から東部で海面水温が低下

積雲対流が西部でより活発になる