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オゾンの生成・消滅と光電離・光解離(大気の構造2)

大気が必要な理由の一つは生物にとって有害な紫外線を防ぐというものです。

その方法は光電離光解離という現象でオゾンの生成・消滅にも関わってきます。

今回はさらに、成層圏と熱圏で気温が上昇する仕組みについても調べます。

1.紫外線を吸収する3つの大気層

冒頭のイメージ図をご覧ください。この図は、紫色で示した紫外線が3つの層でどのように吸収され減衰していくかを示しています。

1-1. 熱圏で

◆ 0.1μm以下の波長の紫外線は光電離(後述)という現象によって吸収される

◆ 光電離によって電離層が作られる

◆ 0.1~0.2μm の波長の紫外線は光解離(後述)という現象によって吸収される

◆ 2つの吸収方法により紫外線は熱に変換され周囲の大気を暖める

紫外線を含む電磁波とその単位についてはこちらの記事をご覧ください。

 ⇒ 「放射とは(放射1)

 

1-2. 中間圏で

◆ 0.2~0.24μm の波長の紫外線の一部は光解離により吸収される

◆ 紫外線の吸収により熱が生じるが、熱圏や成層圏ほどではなく、二酸化炭素による赤外線放射との平衡により気温が決まる

 

1-3. 成層圏で

◆ 0.2~0.24μm の波長の紫外線は光解離により吸収される

◆ 光解離の副産物としてオゾンが生成される

◆ オゾン層が作られる

◆ 0.24~0.32μm の波長の紫外線は光解離によりオゾンに吸収される

◆ 2つの波長帯において紫外線は熱に変換され気温が上昇する

このような過程を経て紫外線の多くは大気に吸収され、生物の健康を守り、周囲の空気を暖めています。

2.光電離とは

下のイメージ図の左側をご覧ください。波長が0.1μm以下の紫外線が大気を構成するヘリウム、窒素、酸素の原子・分子に当たると原子核を回る電子が飛び出してしまうことがあります。

このように紫外線によって電子が分離されることを、光電離(こうでんり、または、ひかりでんり)といいます。

また、電子が飛び出てプラスの電荷を帯びた原子はイオンとなります。イオンとは電荷を帯びた原子のことです。

紫外線が吸収されることにより気温が上昇します。

3.電離層

3-1. 電離層とは

電離層とは電離した電子の密度が大きい気層をいいます。

電離層内の電子密度極大層は、下層から順にD、E、F1、F2層と名付けられています。

3-2. 電離層の変化

日中は上層ほど紫外線の強度が強くなっているので、電離層は上層のものほど電離密度が大きくなります。

また、夜間は太陽放射がないので電離密度は小さくなります。

4.光解離とは

紫外線などの十分なエネルギーを持つ光子により照射されて分子が解離されること。(「天文学辞典」(日本天文学会)より)

地球大気における主な光解離とは、酸素分子が紫外線を吸収して2つの酸素原子に分裂することをいいます。

また、オゾンが紫外線を吸収して酸素分子と酸素原子に分裂することも光解離といいます。

5.オゾン層

成層圏におけるオゾン層の生成の仕組みは簡単にいうと以下の通りです(図の中央から右側を見てください)。

5-1. オゾンの生成と消滅

❶ 光解離

酸素分子(O2) が波長が 0.1~0.24μm の紫外線を受けて酸素原子(O) 2つに分裂します。

❷ オゾン生成

光解離によってできた酸素原子(O) 1つと酸素分子(O2)1つが結合してオゾン(O3) ができます。

結合には仲介役となる物質(触媒)が必要です。触媒は何でもいいのですが、実際には窒素分子(N2) や酸素分子(O2) が触媒になります。

❸ オゾン消滅

オゾンに波長 0.24~0.32μm の紫外線が当たると酸素分子(O2)1個と酸素原子(O) 1個に分裂します。これも光解離です。

オゾンの生成と消滅により紫外線の量が少なくなるとともに気温が上昇します。

 

5-2. オゾン層の生成

成層圏内の高度25km 付近は特にオゾンの量が多く、この層をオゾン層といいます。もちろん、オゾン層以外にもオゾンはあります。

 

以上が3つの大気層における紫外線の吸収と気温の上昇の仕組みです。

この中でもオゾンは重要な、しかもちょっと複雑な仕組みなので、さらに深く取り上げたいと思います。

次回は、オゾン層が高度25km前後にできる理由と、成層圏での気温の極大値がオゾン層より高くなる理由について考えます。