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気象学における物理量と単位(2)

前回の続きとして、力、運動量、仕事・エネルギー、仕事率、圧力などの物理量について考えます。

前回 紹介したイメージ図の中の長さ、質量、時間の3つの次元の円が重なっている部分に位置します。図の中央の筋肉の部分です。では冒頭の表から順に説明していきます。

1.

質量M の物体に力F が働けば、物体は力の向きに加速度a を生じます。

つまり、力=質量×加速度です。式で表すと

F = Ma

となり、これをニュートンの運動方程式といいます。

質量 1kg の物体に力F が働いて、力の向きに 1m・s-2 の加速度を生じさせる力を、1N(ニュートン)とし、これを力の単位とします。

F = Ma の式に、F=1N、M=1kg、a=1m・s-2 を代入すると、

1N=1kg×1m・s-2 = 1kg・m・s-2 となるので、

力の単位 N = 1kg・m・s-2 という単位換算式が得られます。

2.運動量

運動量は物体の運動の激しさ(勢い)を表すものです。

運動量 = 質量 × 速度

で計算します。

3.仕事・エネルギー

3-1. 仕事

ある物体に力F が働いて、物体が力の方向に距離S だけ動いたとき、力F はこの物体に FS仕事W をしたことになります。つまり

仕事=力×距離  となり、式は

W = FS   です。

(距離の記号Sと時間の単位s を混同しないよう注意してください。)

また、1N(ニュートン)の力が働いて物体を1m 動かす仕事を 1J(ジュール)とします。ですから

1J=1N×1m=1kg・m・s-2 ×m=1kg・m2・s-2

となります。

3-2. エネルギー

エネルギーとは仕事をする能力のことです。単位は仕事と同じJ を用います。

4.仕事率

仕事率とは単位時間にする仕事の量です。

時間差Δt の間に仕事Wをすると仕事率は

仕事率=W/Δt

で表せます。

1秒に1Jの仕事をする仕事率を1W(ワット)とします。

(仕事の記号のWとワットのWを混同しないよう注意してください。)

1W=1J/s=1kg・m2・s-3

W=J/s=kg・m2・s-3

となります。

5.圧力

圧力とは単位面積に垂直に働く力の大きさです。

面積A の面に垂直に力F が働くときの圧力p は、

p=F/A

です。式で表すと

p(Pa=N/m2)=F(N)/A(m2)

となります。

面積1m2の面に垂直に1N(=kg・m・s-2)の力が働くときの圧力を1Pa(パスカル)といい、圧力の単位となります。

1Pa = 1N/m2 = kg・m・s-2/m2 = 1kg・m-1・s-2という単位換算ができます。

気圧の単位で使用するhPaは、Paの100倍ですから

1hPa = 100Pa

となります。

いろいろ単位がありますね。ちょっと疲れました 😥