教科書通りの円形を保っていた2019年台風15号。その形の訳は若い台風だったことに加えて、東京湾のど真ん中を通ったことにあったようです。
海上では丸い渦巻き型をしている台風でも、陸地にかかると その形が崩れてきます。陸上では水蒸気の供給が途絶え、起伏のある地形は風の流れを乱します。
台風15号は伊豆半島の東の海上を進み、三浦半島の真上を通りましたが、すぐに東京湾に入りました。
地図を見れば分かりますが、東京湾の出口は狭く、湖に近い湾になっています。東京湾の真ん中に入った15号は、中心は海の上、周りを陸地で囲まれていて、円形の物にとって相性の良い独特の位置にしばらく身を置きました。
このバランスの良さで台風の形は崩れずに済んだということを気象予報士の森田正光さんが言っていました。
上記のイラストは東京湾上にある時の台風に伴う雨の範囲を示したものです。薄い赤は強い雨、オレンジはやや強い雨です。ほぼ円形の渦巻き型をしているのが分かります。
この後、台風は千葉市付近に上陸しますが、茨城県から太平洋に抜けると かなり形が崩れてきます。海上にはまだ強い雨雲がありますが、陸地側では消滅しかかっています。
今回の台風15号について、森田さんは「東京湾台風」という呼んでもいいのでは、とも言っていました。この呼び方、浸透するかな?