3態と状態変化(水の状態変化1)

内に秘めた情熱が水を変える。何かと思うかもしれませんが、気象を学ぶ上で避けて通れないもの、水の状態変化と潜熱 のことです。これからしばらく考察していきます。

ここで言う「水」とは液体の水だけでなく、氷や水蒸気も含みます。まずは氷、水、水蒸気の関係をまとめました。

1.3態(3相)とは

物質がとる3種類の状態、つまり固体、液体、気体のことです。

水に当てはめるなら、氷(固体)、水(液体)、水蒸気(気体)の3つの状態があると言えます。

下のイメージ図をご覧ください。青丸が水分子、分子と分子を繋いでいる線は、後の記事で取り上げる分子間力(分子間引力)、赤い矢印が分子の熱運動(分子の動く激しさ)を示しています。

さらに、これら3態を体積と形という観点で分類すると以下のようになります。

● 気体・・粒子がばらばらに飛び回っているため、温度と圧力により体積は大きく変わり、形も定まっていない。

● 液体・・粒子が不規則に集合していて容易に形を変えることができるが、体積はほとんど変わらない。

● 固体・・粒子が規則正しく集合していて隙間がほとんどないので、一定の形と体積を保っている。

3態についてはこちらの記事も参考にしてください。

 ⇒ 「雲の発生10

2.状態変化とは

3態の間で変化することです。以下はテキストでよく見る図です(「気象学のキホンがよ~くわかる本」を参考)。

3.水の3態と温度変化

ここで氷に熱を加え続け、どのような温度変化をしながら水蒸気まで変化するかを折れ線グラフにすると以下のようになります。(1気圧の場合)

ビーカーに氷を入れて下から熱するという中学でやった(はずの)実験を思い出してください。

ここで面白いのは同じ量の熱を加え続けても、氷から水に 水から水蒸気に変わる時には温度が変わらない状態がしばらく続くということです。

ということは温度が変わらない時に加えられた熱エネルギーは状態を変化させるために使われたと考えることができます。

このように状態変化に伴う熱エネルギーを潜熱と言います。潜熱に対するものが顕熱です。

詳しくは別の記事で扱いますが、簡単にまとめると次の通りになります。

4.潜熱と顕熱

● 潜熱・・ 状態変化に伴う熱

   物質が状態変化する場合に熱を放出したり吸収したりします。

● 顕熱・・ 物質の温度上昇・下降に関わる熱

   触って熱い、冷たいと感じることができます。

文系の人間にとって状態変化やら潜熱・顕熱といった分野は取っつきにくいですが、なるべ~く(自分にとって)分かり易いようにまとめてみます。

カギは引っ張り合う力とくっつき合う力のせめぎ合いです。次回はその話題に入ります。