大地と海と高大な山がプラネタリー波とアジアモンスーンという2つの惑星規模の大気運動を作り出していた・・・
見た目は違うけど同じ親から生まれた兄弟のようなもの
偏西風波動とモンスーンという大規模な大気運動の中でも、取り分けスケールの大きいものがプラネタリー波とアジアモンスーンです。
その共通点を取り上げる前に、関係する気象現象とイメージ図の簡単な説明をざっくりとします。詳しい内容は別の記事で扱いますので、しばしお待ちください。。
1.偏西風波動
● 波動とは・・
時間的・空間的に現れる波の周期的変動
● 偏西風波動(または偏西風蛇行)とは・・
偏西風が南北に波打つこと
● 偏西風波動の種類は・・以下の2つがあります
1-1 プラネタリー波(超長波)
イメージ図のオレンジ色で示した大きな波です。線が2つ描かれていますが波が2つあるということではなく、次の傾圧不安定波と区別するためのものです。
波数 1~4
波長 1万km 超
1-2 傾圧不安定波
図では青のくねくねした線で描いています。この波は温帯低気圧の発生・発達と密接な関連があります。
波長 2,000~5,000km
2.アジアモンスーン
● モンスーン(季節風)とは・・
夏と冬で風向きが逆になる風
● アジアモンスーンとは・・
インドから東アジアにかけて生じる大規模なモンスーン
3.発生の仕組み
上記のすべての現象にかかわるのは熱、つまり温度です。加えて海陸もかかわってきます。では、一つ一つ説明していきます。
3-1 プラネタリー波
A 熱的要因・・ 大陸と海洋の温度差
B 力学的要因・・ ヒマラヤ山脈、ロッキー山脈などの大規模な山岳
3-2 アジアモンスーン
A 熱的要因・・ 大陸と海洋の温度差
B 力学的要因・・ ヒマラヤ山脈とチベット高原
モンスーンの発生に係わるのは大陸と海洋の熱容量の違いです。つまり陸地は海に比べて暖まりやすく冷えやすいという特徴が関係します。
また、ヒマラヤ山脈とチベット高原はインドに多量の雨を降らせ、モンスーンを東アジアへと向かわせます。
このようにプラネタリー波とアジアモンスーンは陸と海と山といった同じような要因で生じています。そういう意味で「兄弟」です。
3-3 傾圧不安定波
A 熱的要因・・ 南北方向の気温の差
以上ですが、これらの大規模気象現象をまとめた表を次回のブログに載せる予定です。