この夏は変(暑い )! 台風も変!
で、2018年の台風の変さについて何回かに分けて考えていきます。
気象予報士の森朗さんはTBSテレビ「ひるおび」(2018/08/17)の中でこの夏の台風の特徴について5つの点を挙げていました。
1.発生数が多い
2.進路がちょっと変
3.発達しないものが多い
4.影響が出るまでの日数が早い
5.影響が広範囲で長引く
このうち幾つかを森さんの解説に私の理解を加えて考えます。イメージ図を見てください(8月と書いてありますが7月も含めるとみなしてください)。記事の最後に通常の夏季の台風についての図も挙げたので参照してください。
1.発生数が多い
すでに20個
まず発生数を取り上げます。7月の発生数は平年が3.6個のところ、今年は5個。8月は平年が5.9個のところ、既に8個(8/20時点で)発生。
とりわけ8月12日から16日までは5日連続して台風が発生していて、これは観測史上1位です。さらにこの2日後にはまた台風が発生していますから、1週間に6個発生したことになります。
もっとも、17号はもともとはアメリカ大陸の西で発生したハリケーンだったのが、統計180度を超えて越境してきて「台風」になったので、普通の発生とは違います。
海面水温
でも、とにかく多いです。その理由として誰もが挙げるのが海面水温が高いという点があります。地球温暖化の影響でしょうか?この夏は陸でも海でも暑いです。
太平洋高気圧の位置
別の理由として森さんは太平洋高気圧の位置が北に片寄り、さらに東にずれていることを挙げていました。
そのため、本来高気圧の下にあって発生できない海域で多くの台風が発生し、結果として総数が多くなったという理屈です。
モンスーンの影響
さらに別の要素としてモンスーンの影響もあるようです。
気象庁は、ここ1週間ほどインド洋のモンスーンが強まり、湿った西風が南シナ海を越えて北西太平洋に到達した影響と考えられると分析しています。
いつもより強いモンスーンの西風と貿易風の東風により、反時計回りの風の流れが生じます。さらに二方向からの風がぶつかることにより上昇気流が生じ台風がより多く発生したということです。
2.進路がちょっと変
これも太平洋高気圧の位置が関係します。
通常日本に近づく台風は、日本の南海上の高気圧が一番出っ張ったあたりで転向点を迎え、向きを北東方向に変えて、つまり西から近づいて来ます。
ところが、今年は高気圧の出っ張りが日本列島に近いところにあるので、台風の多くは転向点を迎えることなく東から西へと進んでいく、ということです。
あるいは転向点が北に片寄り日本のすぐそばに来るまで向きを変えないケースもあります。
4.影響が出るまでの日数が早い
順番を変えて先に4.を考えます。
最初に挙げたように本来高気圧があるはずのところで幾つかの台風が発生しましたが、その多くは日本の近くで発生しました。それで早く日本に接近し、すぐに影響が出ることが分かります。
「3.発達しないものが多い」と「5.影響が広範囲で長引く」については少々ややこしいので別の機会にしますね。