東から西に進む台風、ループする台風、台風12号は一人で二つの技をやってのけそうです。
46年前の新聞天気図には同じ技をやった台風が載せられています。
と言っても二つの台風が役割分担したのですが。
1970年代、新聞には結構詳細な天気図が載せられていました。各地の天気と風向・風力も記載されていました。台風が日本に接近しそうな時は進路予想図も併せて載せられていました。
その中から1972年7月に日本に接近した台風7号と9号の進路予想図と天気図をご紹介します。(2回クリックすると拡大されます)
9号が東から西に進む台風、7号が1回転する台風です。
7月20日午前
台風7号が9号を先導する形で共に西に進む
7月21日午前
前日に引き続いて7号 9号共に日本の南を西進
7月22日午前
7号が迷走し始める
7月23日午後
9号は九州に上陸して進路を北に変え日本海に抜ける
7号はさらに南下する
7月24日午前
9号は日本海に抜け、7号は沖縄の西で急カーブして進路を北に変える
7月25日午後
結局7号はループして九州の西を北進し中国大陸に向かう
今年の12号ほどではないですが、7月の台風というのは迷走しますね。
1972年7月の場合は気圧配置を見ると、オホーツク海高気圧が強く張り出していたことが分かります。
通常日本に近づく台風は太平洋高気圧の縁を進みますが、この年の7号、9号は太平洋高気圧の代わりにオホーツク海高気圧の縁を進んだように見えます。
余談ですが、昔の台風の進路予想図は円形ではなく扇型で、何か獲物を狙い定めているように見えてちょっと不気味です。扇型の方が台風が生きているようで個人的には好きです。