積乱雲があまり発達しなかったから記録的豪雨になった・・・?
変な理屈ですが、今回の西日本豪雨に当てはまるようです。
九州北部豪雨と西日本豪雨の違いとは
平成30年7月豪雨(西日本豪雨)と平成29年7月九州北部豪雨の違いについてNHKの朝のニュース「おはよう日本」(2018/07/13)で解説がなされていました。
どちらも線状降水帯によって記録的豪雨と災害をもたらした点では一致しているのですが、西日本豪雨の方がはるかに長期間、広範囲に豪雨をもたらしました。
番組の解説によると、この違いは積乱雲の高さの違いによるそうです。
上記の図をご覧ください。
背の低さが災い?
上が九州北部豪雨の場合ですが、積乱雲の高さが約15,000mにまで発達しました。
そのため、積乱雲は上空の風に流され、実際の豪雨は7月5日から7月6日の2日間にとどまりました(2日で500mm以上というのも記録的ですが)。
下が西日本豪雨の場合ですが、豪雨をもたらした積乱雲は高さが約7,000mで九州北部豪雨の半分以下です。
このため積乱雲は上空の風に流されにくく動きが遅いため、それが雨量の増加に拍車をかけた可能性があるということです。
つまり、西日本豪雨は積乱雲が中途半端に発達したために記録的な大雨をもたらしたようです。
なぜ積乱雲の高さに違いが出たのか、そこまでの説明はなかったですが、これから解明がなされていくことでしょう。
「西日本+岐阜豪雨」
余談ですが、気象庁は今回の豪雨を「平成30年7月豪雨」と名付けましたが、マスコミのように「西日本」という単語は含めてないですね。
「西日本」の定義は案外 曖昧のようで、中部地方を含める場合(岐阜は中部)や近畿を除く場合など、いろいろあります。
気象庁が用いる「西日本」等の名称の範囲について気象庁のホームページでは
東日本 | 関東甲信、北陸、東海地方。 |
西日本 |
近畿、中国、四国、九州北部地方、九州南部。 |
とあり、東日本の東海地方については
東海地方 | 静岡県、岐阜県、三重県、愛知県。 |
とあるので、岐阜県は東日本の一部になります。
気象庁が「西日本」を使わない理由がここにあるのでしょうか。