台風になろうと頑張った熱帯低気圧・・・
健気に頑張ったために台風になれず自滅した哀れな熱帯低気圧のお話です。
台風ができない?
2018年春の日本列島は異常な暑さに見舞われています。当然、南の海水温も高いので台風が1つくらいは発生してもおかしくないのですが。実際は1月から3月にかけて1個ずつ発生しているものの、4月以降は現時点(5/16)で1つも発生していません。
このことについて 2018/05/16 のTBSテレビ「ひるおび」の中での気象予報士の森さんの解説を基に、天気図も参考にしながら私なりに解釈してお伝えします。
短い熱帯低気圧の一生
まず、ここ数日の気圧配置を見てみます。
1.天気図で分かるように日本の南海上には東西二つの高気圧があります。これらの高気圧のさらに南で熱帯低気圧が発生します。
2.熱帯低気圧は東側の大きな高気圧のへりを進むように西北西に進みます。(A)
この熱帯低気圧、高い海水温により発達して台風になるかと思いきや・・・
3.翌日の天気図(5/15 3:00)を見ると、発達もせずに東西の高気圧の隙間に入り込んで向きを東寄りに変えて北上しています。(B)
そして12時間後(5/15 15:00)に ・・・ 消えました。(C)
目に見えない高気圧
この流れを簡略したのが次の図です。
なぜ海水温が高いにもかかわらず消滅したのか。
それは二つの高気圧のさらに上空にある高気圧がカギとなります。
熱帯低気圧の上昇気流が下降気流となって、上空の(つまり地上天気図からは見えない)高気圧を強めます。
次に熱帯低気圧は地上付近の二つの高気圧の隙間を通って北上します。
上昇気流と下降気流が打ち消し合う
熱帯低気圧が二つの高気圧に挟まれた辺りに進むと上空の高気圧の強い下降気流の影響を受けます。
熱帯低気圧の上昇気流と上空の高気圧の下降気流が打ち消し合って熱帯低気圧は成長できずに、やがて消滅してしまうという理屈です。
高気圧たちの罠
通常なら熱帯低気圧が周辺の高気圧を強めるとしても、熱帯低気圧そのものが高気圧の中に入り込むことはないので、発達を続け台風へと成長するはずです。
今回は地上付近の高気圧が東西に分かれていたため、熱帯低気圧を上空高いところにある高気圧の真下に誘い込んでしまったという訳です。
熱帯低気圧にとっては自分で自分の首を絞めた形になってしまいました。それがいいことやらどうだかは分かりませんが・・