前回の記事で台風の風・気流の1次循環(水平面)と2次循環(鉛直面)について触れました。
では1次と2次を合わせて3次元で捉えると台風の雲と風・気流の構造はどうなっているでしょうか?それがこの記事のテーマです。
上の絵は台風を断面で切って雲と空気の流れの構造を示したものです。
1.雲の構造
見た通りです(拙い絵でごめんなさい)。
目の周囲に分厚い壁雲があり、その周りにスパイラルバンドが取り巻いています。
台風本体は積雲・積乱雲の塊ですが、鉛直断面図で見ると分かる通り、対流雲と対流雲の間には隙間があります。
でも上層では層状雲がびっしり広がっているので、隙間があるのはよく分かりません。衛星画像で台風の雲に完全に覆われているように見えても、雨や風の強さにむらがあるのはこのためです。
2.空気の流れの構造
1 下層・・ 反時計回り 収束
● 台風周辺から反時計回りの風が中心に向かって吹いていきます。
● 風の一部は壁雲より外側で上昇気流となり積雲や積乱雲を作ります。これが連なってスパイラルバンドを形成します。
● 中心付近に達した風は収束し、反時計回りのらせん状の上昇気流となり壁雲を作ります。
2 中層・・ 反時計回り 収束・発散なし
3 上層・・ 時計回り 発散
圏界面付近で壁雲から吹き出た上昇気流は、今度は時計回りに周囲に広がっていきます。
ざっと こんな感じですが、台風の一番の特徴である暴風については、もっと掘り下げて考える必要があります。
台風全体の中で風速が最大になるのはどこか?もちろん中心付近ですが、地表なのかもっと上空なのか?そもそも台風の暴風はなぜ生じるのか?といった疑問が残ります。
あまり突っ込んで調べると きりがないので、感覚的に捉えられるところを次回、調べていきます。