温度風の考え方5 上-下=温

地衡風ベクトル差

上層の気圧場 - 下層の気圧場 = 温度場

かなり乱暴な表現で正確ではないかもしれませんが、温度風の理解に役立つと思っています。

今回はこれまでのまとめです。

1.下層の地衡風

前々回の記事「温度風の考え方3 気圧分布と温度分布」で下層の気圧場(気圧分布)と地衡風の関係を次の図で表しました。

温度風 気圧分布だけ

2.温度場

同じ記事の中で同じ領域における温度場(温度分布)を次の図で表しました。

温度風 温度分布だけ

3.上層の地衡風

この二つを組み合わせると前回の記事「温度風の考え方4 層厚が地衡風を変える」の最後の図で表した上層の地衡風となります。

温度風 上層の地衡風

以上は温度場(気温の高低)が分かっていることが前提条件になっています。

では分かっていない場合はどのようにして知るのでしょうか?

4.上-下=温

それは、以前の記事「温度風の考え方1」で既に取り上げたように上層の地衡風のベクトルと下層の地衡風のベクトルの差を求めることで分かります。

その時に載せた図に温度場を色付けしたものが下の図です。

地衡風ベクトル差

この図で言えば B-A=C で求められます。

5.温度風から読み取れる事(温度場)

温度風が分かれば以下の3つの事柄も読み取ることができます。

1) 等温線の向き

⇒ 温度風は等温線と平行に吹く

2) 高温側、低温側の位置(北半球)

⇒ 温度風の右側が高温側、左側が低温側

3) 水平温度傾度の大きさ

⇒ 温度風が強いほど等温線が混んでいる

6.地衡風と温度風の位置関係によって読み取れる事(温度移流)

⇒ 地衡風が低温側から吹いているなら寒気移流

⇒ 高温側から吹いているなら暖気移流

温度移流については別個の記事にします。