爆弾低気圧という言葉は時々耳にすることがあると思います。急速に発達する温帯低気圧に使われます。(※)
それなら爆弾台風もあるのでしょうか?
1.爆弾低気圧があるなら・・・
一昨日(2019年9月7日)気象予報士の森田正光さんはTBSテレビ「Nスタ」の中で台風19号と爆弾低気圧とを次のように比較していました。
爆弾低気圧は1日に24hPa 気圧が下がるのに比べて、台風19号は(その時点で)1日に67hPa 気圧が下がった、このような急激な発達は10年に一度あるかどうかだ。
この記事の題にあるような「爆弾台風」という言葉は勿論ないですが、台風の個性の一つとして、こうした表現も悪くないですね。
※ 爆弾低気圧という表現について、気象庁では使用を控える用語に分類して「急速に発達する低気圧」などと言い換えるようにと指示しています。また、その定義は以下の通りです。
中心気圧が24時間で24hPa×sin(φ)/sin(60°)以上低下する温帯低気圧(φは緯度)。例えば北緯40°なら17.8hPa/24hが基準となる。(気象科学事典等による)
2.1日で 77hPa !
結局、放送日(2019/10/07)の18:00になって台風19号の中心気圧は915hPa にまで下がったので、24時間に 77hPa 気圧が下がったことになります。
その点を天気図から確認してみます。
10月6日18時(上の天気図)の時点で19号の中心気圧は 992hPa です。
その24時間後、10月7日18時(下の天気図)になると中心気圧は 915hPa まで下がっています。
3.伊勢湾台風並み?
同様に短期間に急発達した台風として有名なのが1959年の台風15号、伊勢湾台風です。
伊勢湾台風の発達についてのウィキペディアの説明は以下の通りです。
『9月22日9時には996mbであったものが同日15時には970mb、翌23日9時には905mbとなり、22日9時からの24時間で91mbも気圧が降下した。』
4.ピンホールアイ
また、衛星画像で見ると、急発達したすぐ後の19号の目は非常に小さく、「これが目」と言われなければ分からないくらいです。(矢印の先)
このような目はピンホールアイと呼ばれ、非常に発達した台風の特徴とされています。
中心に向かおうとする猛烈な風と強烈な遠心力のぎりぎりのせめぎ合いで、恐らくこの大きさが限界なんでしょうね。
今年(2019年)は10月に入ってからも連日最高気温が30℃前後の日が続き、またまた強烈な台風・・・ 夏が終わると冬、冬が終わると夏です 😥