日本の夏は太平洋高気圧。でも太平洋気団とは言わずに小笠原気団と言いますね。
では小笠原気団と太平洋高気圧はどんな関係にあるのでしょうか?
<D 夏・・・ 小笠原気団(太平洋高気圧)>
太平洋高気圧は亜熱帯高圧帯に生じる亜熱帯高気圧の一つで太平洋に発生するものです。
このうち北太平洋に存在するものを北太平洋高気圧と言います。こちらが日本で言う 太平洋高気圧です。北太平洋高気圧の中心はハワイ諸島付近にあります。
日本の気候に影響を及ぼすのは北太平洋高気圧の西部にあり、小笠原諸島付近に中心を持つ高気圧です。そのため小笠原高気圧と呼ばれることもあります。
この小笠原高気圧を構成しているのが 小笠原気団です。
まとめると、
亜熱帯高圧帯 ≧ 亜熱帯高気圧 > 太平洋高気圧 > 北太平洋高気圧 > 小笠原高気圧(小笠原気団) となります。
亜熱帯高気圧はというのは地球規模の大気の大循環の一つ、ハドレー循環によって作られます。
ハドレー循環は赤道付近で暖められた空気が上昇し、緯度30度付近で下降気流となるため、そこに背の高い高気圧を作り出します。
こうしてできた太平洋高気圧は断熱圧縮により温度が高くなり、また乾燥します。
ところが高気圧からの風は、太平洋上を進むに連れ湿気を多く含むようになり、日本に蒸し暑い南風を送り込んで来ます。
ですから小笠原気団は高温・湿潤な気団の部類に入るわけです。
左側の天気図のように南高北低型の気圧配置は見るからに暑そうですね。
<E 台風期・・・赤道気団(台風)>
赤道気団とは赤道付近の海洋に位置する、高温・多湿な気団です。
この気団は日本の特定の季節にいつも影響を及ぼすわけではありません。台風がやって来る時だけ、赤道気団の空気を持ってくるという意味です。梅雨期にも暖湿流として影響を及ぼすと書かれた資料もあります。
右側の天気図は2018年関西方面に大きな爪痕を残した台風21号のものです。
次回は秋の長雨の時に再登場するオホーツク海気団について取り上げます。