高層天気図には 300hPa や 500hPa などはありますが、450hPa とか 600hPa とかはあまり見かけません。
それは高層天気図の使い方が分かれば納得できることです。それで、それぞれの等圧面がどんな特徴があるか、また高度などをまとめてみました。
その前に復習となりますが、大気の構造のイメージ図を見てください。
以前の記事「大気の構造1」で載せた図とほとんど同じですが、「中層大気」だけ付け加えました。
高層天気図が関係するのはほとんどが「対流圏」に係わるものです。
次の図は対流圏の中で代表的な高層天気図の高度と気圧を示したものです。
見たままですが、一つ一つの高層天気図によって何を知ることができるか簡単に示します。
◎ 200 hPa (高度約 12100m 付近における)
ジェット気流の位置と強さ、(冬季)圏界面高度の確認、(航空)晴天乱気流の可能性
◎ 300 hPa(高度9600m 付近における)
ジェット気流の位置と強さ、上層の寒冷低気圧の把握、(冬季)圏界面の確認、(航空)晴天乱気流の可能性
◎ 500 hPa
気圧の谷、尾根の位置、上空の寒気の位置
◎ 700 hPa
高気圧、低気圧の中心位置、気圧の谷、尾根の位置、寒冷低気圧の存在、雨が降る領域の目安
◎ 850 hPa
前線の場所や豪雨を引き起こす下層の気流
さて、上記の図の右下、大気境界層というのがありますが、次回はこれを取り上げる予定です。