雲の発生8(断熱変化)

今回の記事では、外部との熱のやり取りなしに気体を膨張させた場合(断熱膨張)、熱力学の第一法則はどう適応されるかについて考えます。

前回の記事では気体に加えられた熱が仕事(膨張)と内部エネルギーの増加(温度の上昇)に使われることについて考えました。

では気体に熱が加えられず、気体から熱が奪われることもなく、気体が仕事(膨張)をする場合、内部エネルギー(温度)はどうなるでしょう?

既に断熱膨張について学んできているので温度が下がることはイメージとして理解できます。でも熱力学の第一法則はこの場合、どのように当てはまるのでしょうか?

熱力学の第一法則は Q=W+⊿U です。(Q : 熱量 W:外部にした仕事 U:内部エネルギー

熱のやり取りがないので

 Q=0 になります。

これを数式に当てはめると

 0=W+⊿U になります。

ここで中学1年の数学を思い出して上記の式を変形します(文系でもこれくらいなら覚えています)。

 W+⊿U=0

 ⊿U=-W

つまり、外部にする仕事が大きければ大きいほど内部エネルギーは減少していきます。

言い換えれば、膨張すればするほど温度は下がっていきます。

逆に熱のやり取りがなく気体が圧縮されるなら(断熱圧縮)温度が上がることが分かります。

上の式の ⊿U=-W で別の見方をすると・・

断熱膨張の場合 

 ⇒  W:外部にした仕事(膨張)

断熱圧縮の場合

 ⇒ -W:外部からされた仕事(圧縮)

断熱膨張や断熱圧縮のように熱のやり取りが行われない状態で気塊の圧力、体積を変化させることを「断熱変化」と言います。

また断熱圧縮についてはフェーン現象に係わってくるので、後でまた取り上げる予定です。


 まとめ

 ⊿U=-W

断熱膨張 (W) ⇒ 温度下降

断熱圧縮(-W) ⇒ 温度上昇